売上向上

利益を出すための売上高は?損益分岐点を活用

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自社の売上向上を目指す経営者の皆さんにとって、損益分岐点の理解とその計算方法、さらには活用方法は非常に重要です。損益分岐点とは、簡単に言うと企業が利益も損失もない「ゼロ」の状態を指します。このポイントを把握することで、売上がどの程度あれば利益が出始めるのか、また逆にどこまで落ちれば赤字に転じるのかを知ることができます。

計算方法については、基本的に「固定費 ÷ (1 - 変動費率)」で求められます。ここでいう固定費とは、売上高の増減に関わらず一定の出費(例えば、家賃や人件費など)を指し、変動費率は売上に応じて変動する費用(材料費や製造直接費など)の売上高に占める割合です。

月々の固定費が100万円、変動費率が売上の50%である場合、損益分岐点の売上高は「100万円 ÷ (1 - 0.5) = 200万円」となります。つまり、月に200万円の売上があれば、その企業は利益も損失もない状態にあるということです。

この損益分岐点を活用することで、経営者はより戦略的な意思決定が可能になります。損益分岐点を下げるために固定費の削減を検討したり、変動費率を改善するための効率化を図ることができます。売上目標の設定にも役立ち、実際の売上が損益分岐点をどの程度上回っているかを把握することで、企業の健全性を評価することも可能です。

しかし、損益分岐点の計算や活用にあたっては、企業の現状を正確に把握することが前提となります。固定費や変動費の数値が不正確であれば、損益分岐点も実態とは異なる結果となってしまいます。そのため、定期的な費用の見直しや、売上・費用の正確な記録が重要となります。

経営者の皆さんがこの損益分岐点の概念を理解し、計算方法をマスターし、日々の経営戦略に活かすことで、より堅実で成長可能性の高い企業運営が実現できるでしょう。売上向上だけでなく、コスト管理にも目を向けることが、企業の持続的な成長には不可欠です。

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